charles262510’s blog

主に野球。時々SMAP及びTEAM SHACHI。ごく稀にその他の事。

龍が如く

天敵

 僕のTwitterInstagramをフォローしてくださっている方達は知っていると思うが、僕はSMAPが好きである。好きな理由は多々あるがその中でも楽曲の良さというのが大きな割合を占めている。「働かないふたり」という漫画で主人公が自分にとっての大事な本を形容する時にどんな時でもその本を読むだけで心をニュートラルに戻せたと言っていたが(「働かないふたり」も名作オブ名作なので興味があれば是非読んでほしい。)それと同じで彼等、の曲を聴いていると、辛い時も浮かれている時も心をフラットに出来るのだ。

 

 そんな僕には天敵がいる。それは「SMAPになんか歌わせないで楽曲提供者が歌って欲しかった」という人々だ。

 この意見、確かに一理あるようにも思える。実際YouTubeに上げられているSMAPが歌っている動画にはその種のコメントが多い。

 彼等の意見の根底には「作詞や作曲をしたアーティストが取り上げられないで歌っている(お世辞にもうまいとは言えない)アイドルばかりが取り上げられるのは納得がいかない」というものがあるように思える。

 その意見に対してどう反論すればよいかを考えていた時期がある。そしてある四字熟語を思い出した。「臥竜点睛」この四字熟語である。意味は「〔梁の画家張僧繇が,竜を描いて,その睛(ひとみ)を書き加えたところ,竜が天に昇ったという故事から〕 物事全体を生かす中心。また,物事を完璧なものにするための最後の仕上げ。 」

(引用元:https://www.weblio.jp/content/%E7%94%BB%E9%BE%8D%E7%82%B9%E7%9D%9B

である。仕上げは大事だし相性も大事なのだ。。例えばいくら北斗の拳のタッチで龍を描いたところで目のタッチがベルバラだったらその龍は台無しと言っていいだろう。

 これを曲に当てはめるのならば、龍の身体を描くのが作詞、作曲であり、歌うのが龍の目なのだ。

 SMAPは(本人たちが言うように)歌が決してうまくはないかもしれないが彼らの描く目が、その龍の身体にぴったりとマッチしたからこそ「世界にひとつだけの花」や「夜空ノムコウ」といった曲がとんでもない龍となり爆発的なヒットをしたといえると僕は思っている。

 

Rocket Queen feat. MCU

 前置きが長くなったがそういった観点から見ると、TEAM SHACHIのニューシングル「Rocket Queen feat. MCU/Rock Away」の中でも「Rocket Queen feat. MCU」(以下rocket queen )は特に素晴らしい龍になっていると思う。(TEAM SHACHIのオフィシャルサイト見て気付いたんですけど「わたしフィーバー」はA面扱いじゃないんですね。なんでだろう。)

 rocket queenはまず龍の身体を描いた人、すなわち楽曲提供者が豪華だ。作詞がポルノグラフィティ新藤晴一、曲はak.hommaこと、本間昭光が書き下ろし、そしてRAPにはKICK THE CAN CREWMCUが参加している(MCUに関しては目じゃね?とも思う方もいるかもしれないが便宜上身体にしておく)のだ。身体に関して文句の言い様がないだろう。

 

 そして、変な言い方ではあるが肝心の目である。これは結論から言えば素晴らしいの一言に尽きるだろう。

 基本的に僕は複数の人間が歌う歌を聴くときは「このパートはこの人じゃなくてあの人が良かった」と思ってしまう人間なのだが、rocket queenに関してはそれがなかった。

 

 例えば咲良菜緒のパート。「あの手で奏でたギターが教えた 誰かが押し付けた価値など蹴破れと」という部分は彼女にしか表現できないある種の反骨心が聴く僕の心を震わせた。

 

 例えば秋本帆華大黒柚姫のパート。これは以前もツイートをしたが「席を立つ彼 視線だけで見送る 私を置いていかないで もう少し強くなる そうしたらsee you again」のソロとデュエットのリレー(この表現合ってるのかな)はハモリも相まって非常に美しさを感じさせる。

 

 例えば坂本遥奈のパート。「その歌で彼がShoutする 愛とか絶望を私はいまだ知らない」の部分をここまで切なげに表現できるものなのかと驚きすら覚えた。

 

 今挙げたのはほんの一例だが、彼女達の歌はとんでもない「目」になっている。この曲はとんでもない龍になっているのだ。美しい龍は何回見ても飽きないように、この曲も何回聴いてもまるで飽きがこない(実際このブログを書いている今はエンドレスリピートをしている。飽きない。すごい。)

 そしてなんと驚くべきことにといおうか、この曲は2パターンある。

[YouTube

 

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これがシングルとしてCDになっている。ロックマンとタイアップをしているが、僕はロックマンには明るくないので何も言えないが色々調べるとこのPVの映像はロックマンファンにとってもたまらないものらしい。そしてこのPVに出ているゲームもできる。

ROCKMAN20XX - 戦え!TEAM SHACHI -

 

もう一つは配信限定であるが、マーチングバージョンだ。

YouTube

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 こちらも同じ曲なのに本家(便宜上こう表現する)とはこうも違った色を見せるのかと驚く。僕はどちらかと言えばマーチングバージョンの方が好きだがそれは電子音楽があまり僕が好きなジャンルではなく逆にマーチングの様に金管楽器やら木管楽器やらを使うジャンル(スカパラをイメージして欲しい)が好きというもので、要は好みの問題で、もちろん逆に感じる方も違うだろう。

 ひとつだけ言えるのは、この楽曲が素晴らしいということだ。

 その証拠に再生回数を見てほしい。そう、累計200万回が狙える位置にあるのである。これはTEAM SHACHIの他の楽曲と比べても突出をしている。それだけ多くの人に受け入れられて、そして、リピーターを産んでいるといえるのではないだろうか。

 

龍が如く

 個人的にrocket queenのような曲をアイドルが歌うのはチャレンジだと思っている。それは、(これは僕の偏見かもしれないが)アイドルといえば、キラキラした恋愛ソングを歌うというようなイメージが世間に浸透していると思うからだ。またSMAPの話に戻るが、SMAPがここまで怪物グループになった一つの要因はキラキラな曲ばかりでなく、聴く者を「カッコいいな、こんなアイドルもいるんだ」と思わせかつ、これは中溝康隆というライターの受け売りにもなるのだが、「この曲ならアイドルとはいえ何ら恥ずかしくなくカラオケで歌える」と思わせた所にもあると思う。

 

 翻ってTEAM SHACHIである。rocket queenを引っ提げて殴り込みをかけてきた。rocket queenは歌詞こそ恋愛ソングだが、曲がとにかく「カッコいい」し、「これなら俺でもカラオケで歌いたい」。女性アイドルグループでここまで思わせたのはTEAM SHACHIが初めてである。何年か経ってTEAM SHACHIの事を振り返るようになった時、この曲は真っ先に語られるべき曲となるだろう。

 とんでもねえ龍な曲を作ったなぁ本当に。