charles262510’s blog

主に野球。時々SMAP及びTEAM SHACHI。ごく稀にその他の事。

僕と、握手

日本一アンチの多い球場 

 なぜか何かにつけて文句を言われる球場がある。例えば、青空の下で野球が観られないなんて野球の魅力が大きく損なわれる。例えば、他の球場と比べて外野の膨らみが小さいせいで、ホームランが出やすい。例えば、さては空調でホームランにしているなオメー。

 最後のは言いがかりのような気がしないでもないが、とにかく、この球場に関しては褒められるよりも文句を言われる方が多いのではないだろうか。

 

 でも、この球場は日本一働き者の球場でもある。ある時はセリーグ球団のホームチームとして年間約63試合を行い、またある時はパリーグ球団のセカンドホーム球場として10数試合をおこない、またある時はパリーグ球団本社社員の福利厚生のために試合が行われ、さらには国際試合が行われる場所として、毎年夏には社会人野球最高峰の舞台として、その球場は使われない日が珍しいくらいに働いている。

 

 もうここまで言えばほとんどの野球ファンの方はどの球場を指しているのかお分かりになったことだろう。そう、東京ドームの話だ。

 なんで東京ドームがそこまで嫌われるのだろう、と考えてみた理由の一つとして野球場らしくない、という点が挙げられるのではないだろうか。

 例えば、グラウンド。東京ドームのグラウンドはアメリカで一般的な天然芝ではなく、人工芝である。人工芝が与える身体への影響が大きいと指摘する野球解説者もいる。

しかし、人工芝が人体に与える影響を忘れてはいけない。人工芝の下に敷かれているのは固いコンクリートなのだ。足腰、ヒザへの負担を考えると天然芝のほうがはるかにいい。

(引用元:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191206-00000003-baseballo-base&p=1

菅野智之に年俸6億5000万円をあげるくらいなら東京ドームを天然芝にすべきだ/廣岡達朗コラム より)

 そして、東京ドームは大人から子供までが楽しめるようないわゆるボールパークではない、とする意見もある。

 例えばマツダzoomzoomスタジアムは誰でも楽しめるような作りになっているらしい(実際に行った事がないので分からない。行った事がある方がいれば、感想をお聞かせ願いたい)し、神宮球場も建て替えた後はボールパーク化を目指すようだ(神宮球場建て替えに関しては以前ブログ「最高の球場」というタイトルで書いたので、よかったら見てね)。

 

本当にそう言える?

 こうした主張は一理あるように思える。でも、本当にそれは正しいのだろうか。

 まずは人工芝の問題。日本の球場のほとんどが人工芝になっている(というよりも、せざるを得ない)理由として、球場が単に野球のためだけに使われる訳ではない事が挙げられるだろう。日本はアメリカと異なり、国土が狭いが故に収容人数が多い球場はライブなどで重宝されがちだ。また、球場使用料の観点からも球場が使われない日にライブを行わせるのは合理的と言えるだろう。

 しかし、実際にライブに行った事がある方ならお分かりになると思うが、ライブでは場内に様々な機材や人が入る。その結果、天然芝だった場合には取り返しがつかないくらいの痛みかたをしてしまうのだ。実際に2016年、水樹奈々阪神甲子園球場でライブを行った後の芝の痛みかたは尋常ではなかった。こうなってしまうと復旧に時間をかけてしまうこととなり、最悪の場合野球どころではなくなってしまう。人工芝にした場合、この種のリスクが天然芝とは比べ物にならないほど軽くなる。

 そしてもう一点、人工芝が与える身体への負担を考えてみよう。かつて松井秀喜は巨人時代に左膝を痛め、それが古傷となり、結果としてそれが選手寿命を縮めたとも言われている。

 その点を考えると、確かにこの指摘は的を得ているように思える。しかし、当時の東京ドームはコンクリートの上に絨毯を敷き、その上で野球をやっていたのだ。だが、今は違う。今の東京ドームは「フィールドターフ」が採用されており、限りなく天然芝に近い芝となっている。

fieldturf.jp

 実際に僕も数回東京ドームのグラウンドに足を踏み入れた事があるのだが、芝生のクッション性が高く思い切り走ることに関して身体への負担は少ないように感じた。

 また、東京ドームは数年に一度、芝の張り替えを行っており芝の劣化も極力最小限に抑えられていると言えるだろう。

  人工芝に批判的な人でも、以上の理由を考えれば東京ドームの人工芝は許せるのではないだろうか。

 

ボールパークってなんだ

 次に、ボールパーク問題について考えてみる。そもそも、ボールパークとはなんだろう。僕なりに定義づけるのであれば、それは「野球をメインとしつつも、老若男女を問わず1日中そこにいて楽しめる場所」となる。

 正直言って僕はこれは難しいと思っていた。東京ドームは開場してから30年以上経過しており、建て替えでもしなければそんなことはできないと考えていたからだ。

 だがそれは、違った。東京ドームは既にボールパークであったのだ。

 どういうことか。まずはこの記事を読んでいただきたい。プレミア12の際に来日していた韓国紙の記事である。

 

sportsseoulweb.jp

  この記事の中でも、僕は

左腕エースであるヤン・ヒョンジョンは、違った視点で考えを述べた。東京ドームの感想を聞かれ「とても良かった」と答えた彼は、「韓国にもこのような環境を備えた球場があれば…。韓国には名のごとく野球場しかない。東京ドームは周辺にショッピングモールや遊園地など、観衆が楽しめる要素が多く揃っている。このような環境なら、ファンもより多く球場を訪れるだろう」と語った。

 という部分が特に印象的だった。そう、東京ドームは東京ドームシティの一部なのだ。東京ドームシティには遊園地もあるし、オシャレ料理屋さんもある。例えば子連れならシアターGロッソでヒーローショーを見た後で遊園地で時間を潰し、18:00から野球を観る、恋人同士でも似たような事ができるだろう。

 そして東京ドームの中も、色々な食べ物や飲み物が売られている。東京ドーム価格で全てのものが割高になっている感もあるが、それも含めて楽しんでいる人も多い。

こうなってくると先に僕が定義付けた「ボールパーク」の要素を東京ドームは満たしていると言えるのではないだろうか。 

 確かに、マツダスタジアムのようなアメリカナイズされたボールパークも魅力的だ。だが、一方で(狙っていたかどうかは知らないが)東京ドームのようなボールパークもそんなに毛嫌いするほど悪いもんではないのではなかろうか。

 

 また、屋内であるが故のメリットもある。それは滅多なこと(台風直撃等)が起こらない限り中止にならないという点だ。国際試合など絶対に中止にしたくない試合を東京ドームで行えば、開催はほぼ確実に見込める。

 ファン目線からすれば例えば夏場のデーゲームが可能になる点はありがたいだろう。夏休みは野球少年などが球場に多く足を運ぶので、そのような子たちが電車の時間などを気にせず存分に野球に集中できる環境を作るのであれば、デーゲーム開催の方がメリットは大きいだろう。だが、もし、仮に夏場の神宮球場でデーゲームをやろうものなら十中八九確実に救急車のお世話になる人(燕)も出てくるだろう。翻って東京ドームならばそう言った事態になる可能性は極めて低い。いつ、どんな時でも変わらない条件で野球を観る事が出来る、というのはファンにとって意外と重要なことではないか、と僕は思う。(真夏の夜に神宮球場で飲みながら観る野球は最高です。念の為)

 

 読んでいただければお分かりになったかと思うが、東京ドームは冒頭に掲げた野球場らしくない、という批判をクリアしている。最近は東京ドームも建て替えをしようなどの意見もよく見かけるけど、日本最古のドーム球場として、そして(恐らく)日本最初のボールパークとしてバージョンアップを重ねながら息の長い球場になって欲しいなぁ、思う。

 

【追記】野球ファンの野球ファンによる野球ファンのためのチャンネル始めました。よろしければ見てやってください。

 

youtu.be