charles262510’s blog

主に野球。時々SMAP及びTEAM SHACHI。ごく稀にその他の事。

敬意の再確認

 2021年7月8日、大谷翔平が32号ホームランを放ち、日本人最多であった松井秀喜の記録を更新した。オールスター前に32本という数字はとんでもない。MLBのホームラン争いでもトップを走っている。しかも大谷は”二刀流”だ。誰がこんな成績を予想しただろうか。僕は予想できなかった。早くも本拠地エンゼルスタジアムでは”MVPコール”が響いている。今や大谷は押しも押されぬエンゼルスの、いや、MLBの看板選手となった。彼は一体どこまで行くのだろう。

 その一方で、僕が改めて感じたのが”はじめの一歩”を踏み出した選手への敬意だ。あの時ーとはいっても僕は生まれていないので直接は知らないがー、野茂英雄任意引退選手にまでなってMLBに挑戦をしなかったら、日本人選手がMLBに挑戦をし、通用するなんてきっと想像すらできなかっただろうー完全に余談だが、”MAJORという野球漫画がある。連載開始が’94年の8月3日だ。この時、超一流のメジャーリーガーがやって来て舐めプかましても日本人選手たちは手も足も出なかった。当時の日本が持つMLBへのイメージを想像できるー”。イチローがあまねくMLB記録を塗り替えなければ、日本人が野球でMLB歴史に名を残すことができるなんて、夢物語で終わっていただろう。松井秀喜ヤンキースで4番を打たなければ、MLB屈指の伝統を誇り、しかもスーパースターが勢揃いの中で主軸を務めるなんて全く現実味がなかったであろう。

 僕も大谷と同じ時代に野球少年だったから多少は分かるのだが、野球少年の頃に彼らに代表される多くの日本人選手の活躍を見ていたから、MLBまでの距離が測れるようになったのだと思う。”夢はMLB”というのが全くの夢物語ではなくなっていた。彼らがいなったら、今の大谷翔平はいただろうか?追い越してはじめて分かる先人の偉大さというものは確実に、ある。

 もちろん大谷だって”はじめの一歩”を間違いなく踏み出している。そう、二刀流だ。これまでの野球界ではちょうど高校生が文理選択をするのと同じように、投手と野手どちらで行くのかを決めなくてはならない、というのが常識であった。ところが大谷はMLBという野球最高峰の舞台で二刀流で結果を示している。今後ーとはいっても10年は見ないといけないだろうがーは二刀流の選手は増えていくだろう。中には大谷の成績を凌駕する選手も出てくるはずだ。そんな時に僕は大谷が抜かされたことを嘆くのではなく、こう思うだろう。”大谷がいたからこそ、この選手はここまでこれたのだ”と。