charles262510’s blog

主に野球。時々SMAP及びTEAM SHACHI。ごく稀にその他の事。

何の為の闘いか

葛藤

 どうにも興味が湧かない。オリンピックの競技種目の一つ、野球の話だ。僕は自他共に認める野球ファンで、こういった国際大会も大好きなので本来はもっとワクワクしていてもおかしくない。ところが、今回のオリンピックに関しては”結果とかはマジでどうでもいいから、選手たちが怪我をせず、誰の評価も落とさないまま無事に帰ってきて欲しい”という感情しか湧かないのだ。北京オリンピックの時にはー当時まだ中学生とはいえーそのような感情を抱くことはなかった。ではなぜそのような気持ちを今回は抱いたのだろう。

 ひとつには野球の国際大会が当時とは比べて充実してきたことが挙げられる。当時プロが出場するオリンピック以外の国際大会といえば生まれたてのWBCしかなかった。当時のWBCは初のMLB選手も参加ができる国際大会だったとはいえ、あまりにもMLB主導であり、かつ当のMLBの選手たちにもあまりやる気が感じられなかったー例えば敗退をしたチームの選手が”いいスプリングトレーニングになった”と言ったり、日本でもイチロー大塚晶則以外のメジャーリーガーは軒並み辞退したー。故に、記念すべき第一回大会で優勝をした日本もオリンピックで金メダルをとってこそ真の世界一といった風潮があったと記憶している。

 しかし、その後WBCは様々な課題ー例えば収益の分配があまりにも不平等であることーといった課題を抱えつつも、アメリカなどMLB在籍選手を多く抱える国が人選にこだわるようになり、大会としては着実に成長をした。すなわち、MLB選手も入り混じった本当の意味での世界一を決める大会が出来上がってしまったのである。

 

 また、大会方針そのものへの疑問もある。今回の東京オリンピックでは過去のオリンピックで採用されていた総当たり予選→上位チームによる決勝トーナメントではなく、負けたとしても敗者復活戦で勝ち進めば金メダルが取れる可能性がある*1。これを知ったときの僕はあまりにひどいシステムだと思った。この方式はWBCのように予選ラウンドまでなら総当たりのように様々な国と試合ができるメリットと一発勝負の緊張感というメリットが組み合わさって良いと思う。しかし、決勝ラウンドにまでこの方式を持ち込んでしまえば、一発勝負の緊張感は完全に薄れ強いチームが順当に勝つ可能性が高いだけの大会になってしまう恐れが非常に高い。

 これは僕の私見なのだが、国際大会があそこまで盛り上がりを見せる理由は一発勝負

 故に起こる”番狂わせ”や”魔物”の存在が大きいからだと考えている。その点につき、僕は今回の大会はそれが起こりづらいのではないだろうか。そしてそのような大会に佳境に入るペナントレースをわざわざ中断してまで行う意義はあるのだろうか。

 

総括

 要するに、僕がオリンピックの野球にまるで興味が湧かない理由は

  1. オリンピックが世界一を決める大会では無くなったこと
  2. 大会の運営自体に不満がある

この2点である。東京オリンピックを開催するにあたり、競技種目の一つに野球を復活させた以上はオールプロで臨まないわけにはいかないのだろう。しかし、それでも尚釈然としない感情がどこかには、ある。例えば2000年シドニーオリンピックのように、アマチュア中心の編成をしてプロ野球選手は数名というような編成はできなかったものか。国際試合が充実しているプロ野球選手とは異なり、オリンピックという日の目を見る舞台にアマチュア選手を起用することでアマチュア野球の注目につながり、ひいては野球界の発展にもつながると思うのだが…