チームしゃちほこ、8周年。
チームしゃちほこ、8周年。
今日、4月7日にグループ結成8周年を迎えたTEAM SHACHI、いや、チームしゃちほこのメンバーには心からお祝いと感謝を申し上げたい。
以前のブログ(注)にも書いたが、僕がチームしゃちほこのファンになったのは2017年のことで、それ以前の僕の脳内辞典にあったチームしゃちほこについての知識といえば、ももクロの妹分ということと、当時先輩が部室で歌っていた「つけてみそみそ かけてみそみそ」が歌詞に含まれている歌(曲名すら知らなかった)を歌っている、ということだけだ。僕は安藤ゆずがいた時代のチームしゃちほこを知らない。
(注)
そういう観点からすると僕はいわゆる「新規」に該当するファンであろう。ただ、それでも、だけれども、節目を祝い、そして感謝をせずにはいられない。なぜなら、今の僕は続けることの大変さ過酷さを知っているからだ。
STAY
SMAPの曲に「STAY」という曲がある。この曲はファン投票で作られたベストアルバムに収録がされている程、ファンからは根強い人気を誇っている。しかし、元々はアルバムの中の一曲だから、ご存知ない方も多いかもしれない。
その中にこんな歌詞がある。
Let you know
大事なのは続けること
僕がこの曲を初めて知ったのは2011年の時で、まだ僕は高校一年生。この歌詞の意味をよく理解する事ができなかった。
なぜなら、当時の僕はー決して強くはないがー野球部に入部し、好きな野球を続けられる環境にあった。イチローもまだニューヨークヤンキースに移籍していなかった(その前年まで10年連続200本安打を行っていた)し、「笑っていいとも」や「ごきげんよう」がまだ放送されており、SMAPだって解散もしていなかった。つまり、「続けること」が当たり前の環境だったのだ。
でも今はこの歌詞の意味がよく分かる。僕は高校で野球をプレーすることをやめ、「いいとも」も「ごきげんよう」も放送が終わり、SMAPは解散し、イチローも引退をした。物事には必ず終わりがくる。それは自分が望もうが望むまいが。だからこそ「続けること」が大事なのだ。負けないことでも投げ出さないことでも逃げ出さないことでも信じ抜くことでもない。
正直言って、続けるのをやめようと思えば彼女たちはいくらでもやめることが出来たと思う。例えば、「普通の女の子」への憧れ。例えば学業との両立。例えばメンバーの卒業。でも、彼女たちは続けた。その積み重ねが8年という歳月になったのだ。
至極当たり前の話だが、彼女たちが「続けること」をしてくれなければ僕が2017年11月3日に彼女たちにどハマりする事もなかった。これは決して大袈裟な話ではなくチームしゃちほこを知らなかったら僕の人生は大きく変わっていただろう。
少し話は逸れるが、アイドルーというよりもエンターテイメントーがここまで人々から親しまれる理由は一人一人に唯一無二の経験を与えてくれるからだと思う。
「あの曲がリリースされた当時、まだ学生だった」「あのライブをした時、苦しい時期だったけどあのライブで気持ちが前向きになれた」おそらく、こうした経験は誰もがした事があるだろう。でも、その経験は自分だけのものであり、決して誰かと同じになる事はない。
そして、その経験の回数が多ければ多いほど、つまり、長い間応援していればいるほど、その人の人生にとって、それは、特別な意味を持つようになる。「続けること」は誰かの人生に寄り添うことにも繋がる。
僕は出会ってまだ3年も経過していないような「新規」だが、チームしゃちほこは間違いなく僕の人生に寄り添ってくれたと言える。彼女たちは、当時まだライブを生で観た事がなかった僕に生で観るライブの楽しさを教えてくれた。彼女たちは、次に何をやってくれるんだろうというワクワクを僕にくれた。そして何より僕にーSMAP解散以降積極的に新しい音楽に出会おうとしなかった僕にー新しい音楽に出会う喜びを思い出させてくれた。それもこれも全部彼女たちが続けていてくれたからである。だからこそ、僕は彼女たちにお祝いと「感謝」を伝えたいのだ。
TEAM SHACHIと名前を変えても、4月7日は僕にとって、彼女たちがデビューした記念すべき大切な日なのだ。そしてそれはおそらくーというか絶対ー彼女たちも大切に思っているのだろう。4月7日を「しゃちほこの日」としたのだから。
最後に
今日、4月7日は本来ならばデビュー日を記念したファンクラブ限定ライブが開かれるはずだった。それが新型コロナウイルスの影響で延期となってしまった。
僕は時間的にも、場所的にも、金銭的にもライブへ行けないことは分かっていたので他のタフ民(TEAM SHACHIファンクラブ会員のこと)のような直接的な影響はないのだが、それでも、この記念すべき日のライブが延期になったことに対してはとても残念に思っている。記念ライブは記念すべき日にやってこそ大きな意味を持つと思うからだ。もちろん現在の情勢で、「コロナ?んなもん関係ねぇよ。ライブやれ」なんてことは1ミリも思ってはいない。ただ、それと開催延期を残念に思う別モノだ。僕ですらこういう思いになるのだから、彼女たちやスタッフ民たちが残念に思う気持ちは想像に難くない。
だからこそ、ブログを書くことにした。経済的にクラウドファンディングにも協力できず、チケットの払い戻しもしてしまう僕がこんなことをやってもただの自己満足と言われればそれまでだ。
でも、もし、仮に、万が一この文章が彼女達や、スタッフ民に届いて、「続けていてよかった」と思ってもらえたらこんなに嬉しい事はない。
なので最後にもう一度改めて言おうと思う。
秋本帆華さん、咲良菜緒さん、大黒柚姫さん、坂本遥奈さん、スタッフ民の皆様、8周年おめでとうございます。そして、ありがとうございます。これからも、変わらず応援をさせていただきます。
仮面ライダークウガと東京スカパラダイスオーケストラ
綺麗事がいい
もう20年ほど前の話である。
当時5歳だった僕は殆どの5歳男児と同じ様に日曜日の朝に眠い目を擦りながらある番組を観ていた。「仮面ライダークウガ」である。その中でこんな場面があった。
女優になることを夢見る女性「朝日奈 奈々」は、尊敬していた演技の先生を未確認生命体=グロンギに殺されてしまう。無念の死を遂げた先生の為にも努力を重ねていた奈々だが、彼女が受けたオーディションの課題は「好きな人を目の前で未確認生命体に殺されたときの芝居」だった。更に、同じオーディションを受ける女性から「実際に先生を殺された経験が演技の役に立ちそうで良かったね」という旨の悪質な嫌味を吐かれてしまう。
その嫌味に深く傷ついた奈々は、普段の朗らかな様子からは想像できないほど激怒し、
「誰かを殺してやりたいと思ったことってある?」、「(嫌味を吐いた女性を)引っ叩きにいってもいいですよね!?」
などと発言するが、奈々の知人である五代雄介=仮面ライダークウガは、
「許せないねそれは……」「だから行くべきだと思う!」と、奈々の憤りに共感しながらも、「でも、おれはこれ(拳)を使ってすごく嫌な気持ちになった。大事なのは『間違えてる』ってことを伝えることじゃないかな?」「こう(殴)したら、こう(殴)来るかもしれないだろ?そしたら、またこう!こう!(殴り合い)ってならない?」 と続け、暴力を振るっても問題は解決しないことを伝えようとした。
彼は悪質なグロンギとの戦いで憎悪に支配された経験があり、憎しみに支配されたまま暴力を振るうことの危険性と虚しさを、身を持って味わっていたのである。しかし、雄介がクウガとしてグロンギと戦っているという事情を知らず、彼のことを暴力とは縁遠い気楽な人間だと思い込んでいた奈々は、雄介の言葉を誰にでも言える他人事の慰めと受け止め、「さっきから五代さんの言ってること、綺麗事ばっかりやんか!!」と絶叫してしまう。
雄介は「うっ……そ、そうだよ!」と彼女の指摘を半ば認めながらも、「でも!だからこそ現実にしたいじゃない!本当は綺麗事が、いいんだもん!!これ(拳)でしかやり取りできないなんて、悲しすぎるから!」と語った。
「クウガ」は人格形成に必要な様々なことを僕に教えてくれたのだが、その中でも最も心に残っているのが、このシーンだ。ー本題から逸れるので詳述はしないが、仮面ライダーという勧善懲悪もので済ませる事も可能であったにも関わらず、あえてこのシーンを子供向け番組で扱った制作陣にも拍手が贈られるべきだと思うー。
このシーンは、いつからか僕の中で重要な指針ととなった。「綺麗事の世の中」を作りたい、「綺麗事の世の中」を作ろうとする人たちに少しでも貢献したい。そんな事を望むようになった。
だが、現実は厳しい。「綺麗事の世の中」を作ろうとする人達を陰で笑う人、その邪魔をする人を、ーそれも身近でー僕はたくさん、見てきた。そんな人達に接する度、もしかすると、「綺麗事の世の中」を望んでいる人間というのは自分しかいなくて、「綺麗事の世の中」を作るほどの才覚もない僕がいくら「綺麗事の世の中」を望んだ所で、それは女の子に一方的な片想いをしそれが破れた後10年後に両想いになるのと同じ位難しい事なのではないかと思うようになった。
スカパラ緊急ライブ
そんな悶々とした気持ちを心の何処かに抱えた中で昨日の東京スカパラダイスオーケストラの緊急生ライブを観た。
恐らく、僕がスカパラのファンを名乗ったらスカパラファンの方に怒られそうだなと思う位にはスカパラについてそんなに詳しく知っている訳では無いのだが、それでも彼らの演奏が素晴らしく、そして何より楽しそうに演奏する姿が好きなのでワクワクしながら昨日の20:00にYouTubeの配信を観た。
もちろんスカパラはそんな僕の期待を裏切らずー当たり前であるー素晴らしいとしか形容が出来ないライブをしたのだが、そんな中で僕が一番心を揺さぶられたシーンがある。それは配信も終盤を迎え、もういよいよ残り1曲となった時に、谷中敦が視聴者へ向けてある「手紙」を朗読し始めたのだ。
この「手紙」には本当に胸が熱くなった。少し大仰な話になるが、今の世の中は大変な時期に差し掛かっている。恐らく僕が知らないだけで苦しんでいる人も沢山いるのだと思う。けれど、ー仕方がないこととは言えー報道などで取り上げられるのは苦しんでいる人を更に苦しめたり、悲しんだりさせる様な人ばかりだ。そういった報道が増えると、必然的に世の中に「良いヤツ」なんていない様にも思えてしまう。
ところが、この「手紙」では谷中敦は、スカパラはそういった「良いヤツ」はこの世の大多数と信じて疑わず、そしてそんな「良いヤツ」の為に、ためだけに「手紙」を書いたー少なくとも僕はそう感じたー。
スカパラは「綺麗事の世の中」を信じて疑っていないのだ。そして、そんなスカパラの様な人たちがいて闘っている限り、「綺麗事の世の中」を作る事ができるのではないのか、と強く、強く思えた。
この日スカパラが最後に演奏したのは、とびきりの「綺麗事」ソング、風のプロフィールだった。
淀みなく流れる川の様に優しさで合流しよう
僕はこの曲のこの歌詞が本当に大好きだ。
ライブがないなら妄想すればいいじゃない
セットリスト作ろう
日本が揺れている。もちろんコロナウイルスの話だ。軒並み各種イベントの中止が発表され、僕が行く予定のライブも先行き不透明なものが二本控えている。
まぁこればかりは仕方がない。人間は根本的には自然には勝てないのだ。ただ脅威が去るのを待つしかない(もちろんコロナウイルス対策を昼夜を問わず考えている方には最大の敬意と感謝の心を持っています)。
しかしながら、今現在日本にエンターテイメントという娯楽がなくなりつつあるのもまた事実である。この分だと心が不健康になりそうだ。ただ、我々には想像力という武器がある。というわけで、「逆にむしろライブのセットリストをあーでもない、こーでもないって考えたら実質それはライブじゃね?」と思ったので、ライブのセットリスト(以下、セトリ)を妄想をすることにした。今回は女性アイドルグループで僕がハマって三年目に突入したTEAM SHACHIのセトリを妄想してみた。
ルール
とはいえ、ライブのセトリを考えるにはある程度のルールは必要である。要は単なる好きな曲の羅列になったり、めちゃくちゃに曲数が多くなってはいけないということだ。そんなわけで、3つのルールを作ろうと思う。
- 曲数は20曲程度
- 曲と曲のつながりが不自然ではないこと
- 世界観がはっきりとしていること
僕の中ではこういうルールを作った。1に関しては単純に長すぎてはライブとして成立がしない。2に関してはこの繋がりがはっきりしていないと一気に興醒めをしてしまう恐れがある。3に関しては恐らくはどのアーティストでもそうだと思うが、一つのライブ、ツアーにはテーマがあるので、そのテーマに沿ったセトリを構成していこうというものだ。
実際にやってみた
ルールを明確にしたところで実際に作っていこうと思う。今回の僕のテーマは「楽しいパーティー」だ。これは以前ブログにも書いたかと思うが、TEAM SHACHIのライブのいちばんの魅力は楽しいことだと思う。なのでそれを前面に出していきたい。
(以下セトリ)
- OVERTURE
- こだま
- 抱きしめてアンセム
- JOINT
- OEOEO
- そこそこプレミアム
- ザ・スターダストボウリング
- 休憩
- HELLO ,TEAM SHACHI
- カラカラ
- colors
- レースのカーテンを揺らした
- パレードは夜空を翔ける
- よろしく人類
- Rock Away
- ちぐはぐ・ランナーズ・ハイ
- BURNING FESTIVAL
- START
- (以下、アンコール)
- Rocket Queen
- グラブジャムン
- ULTRA 超 MIRACLE SUPER VERY POWER BALL
- ROSE FIGHTERS
- DREAMER
- JUMP MAN
(以上)
こんな感じになった。以下、作成意図。
1 OVERTURE
この曲はTEAM SHACHIになって以降、TEAM SHACHIの出囃子になっている曲であり、流石に外せない曲である。かっこいいし、これを聴くたびにいつも「あぁ、ライブが始まるなぁ」とも思える。
2 こだま
この曲は音源化はまだされていないが、ライブ会場に行くと盛り上がりがすごい。早く音源化されないかなぁ。
3 抱きしめてアンセム
TEAM SHACHIの、ちーむしゃちほこの鉄板曲。2018年のしゃちサマでこれを一発目に持ってくる演出には痺れた。こだまでブチ上がったものがさらにブチ上がりそう。
4 JOINT
弊母校にチームしゃちほこが来た時に歌った曲。この曲の坂本遥奈さんのアオりがいい。ブチ上がれそう。
5 OEOEO
この曲は個人的にいちばんTEAM SHACHIとファン(以下タフ民)との一体感を感じられて好き。テンションがブチ上がった状態でこの曲になったらどうなるんでしょうね。
6 そこそこプレミアム
2018の春ツアーで聴いた時に会場がものすごく盛り上がっていた。未だに聴くとワクワクできる曲。
7 ザ・スターダストボウリング
この曲のラストのサビ前のTEAM SHACHIとタフ民の盛り上がり方がエグい。正直な話、コールとかに慣れる前はここの箇所で戸惑った。ただ、その戸惑いは決して悪いものではなかったけれど。
8 休憩
ここまでのブロックはとにかくブチ上がれる曲を中心にして選んだ。というのも僕の中ではやはり一曲目から「抱きしめてアンセム」を持ってきたしゃちサマー2018が強く印象に残っているからだ。あくまでもこれは僕の性格なのだが、最初から考えなしに突っ走るというのが好きなので、こういった選曲になった。
9 HELLO,TEAM SHACHI
仕切り直しの一曲目。やはりいわゆる「他己紹介」ソングは外せないだろうということでこの曲。
10 カラカラ
ここからは、うってかわってしっとりソングでいきたい。僕は彼女たちが歌うバラード系のしっとりソングも大好きだからだ。個人的に、バラードは勢いで誤魔化せない分最も歌手の実力が出る曲だと思う。この曲はもはや彼女たちの年齢になるとあまりリアリティーがない曲かもしれないが、それを上回るほどのうまさがある。ぜひ入れておきたい一曲。
11 colors
僕がチームしゃちほこにハマるきっかけとなった一曲。正直この曲だけで一本のブログが書けるほど大好きな曲だ。この曲は「世界にひとつだけの花」に通ずるものがある。そして、「ひとりぼっちと ひとりぼっちがにじむたびに虹む」この歌詞である。何食ったらこの歌詞が思い浮かぶんだ。そしてここの歌い方も良い。外せない一曲。
12 レースのカーテンを揺らした
ライブバージョン、特装版を除いて音源化がされていない。つまり、TEAM SHACHIのライブに行くか、もしくはそういったCDを買うほどの熱量のあるファンじゃないと聞けない曲。ただこの曲も本当に名曲。TEAM SHACHI版での音源化を切に願うばかりである。
13 パレードは夜空を翔ける
僕がライブに行ってこの曲が流れると必ず何故だか涙が出てしまう曲。最初はバラードからの希望を感じさせる演出がすごい好き。振り付けも一緒にできるから、バラードでありつつも盛り上がれる曲。
14 よろしく人類
秋本帆華さんがラジオで「『ざっと見渡す限り、世界は笑顔で出来てた』って歌詞がすごくいい』という旨を述べていてそれ以降僕もこの曲を聴くようになったが、本当にいい曲だと思う。この歌詞にエンターテイメントの本質が詰まっていると思う。
15 Rock Away
ジャケ写を見た時にいちばん戸惑った曲。但し、曲を聴くとすぐにその戸惑いは消えた。この曲は咲良菜緒さんの歌い方がすごくいいと思う。
16 ちぐはぐ・ランナーズ・ハイ
前の曲がスタンドマイクを使うタイプの曲なので、同じくスタンドマイクを使うこの曲を選んだ。この曲は振り付けがかっこいいと思う。
17 BURNING FESTIVAL
この曲は鉄板曲になりつつあると思う。何よりもホーン隊(以下ブラス民)との相性も凄く良い。
18 START
一応ラス曲。僕は逆説的な表現が凄く好きなので、「START」というタイトルの曲をラストに持ってきた。タモリも言っている「終わりはまた何かの始まりなのだ」と。そう考えると、本曲が収録されている「おわりとはじまり」って凄い深いなと思う。
18(以下アンコール)
このブロックでは先にぶち上げまくった雰囲気を一旦落ち着かせ、そして再度あげていくことを意識した。そして、アンコールブロックではとにかく、TEAM SHACHIがこれを歌ったら(少なくとも僕は最高のライブだったな)と思えるものを詰め込んだ。
19 Rocket Queen
以前ブログにも書いたがこの曲は本当にとんでもないモンスターソングだと思う。これをアンコール一発目に持ってこられたらもうその時点で神ライブになると思う。
20 グラブジャムン
何かの記事で読んだが、この曲を作る時に坂本遥奈さんは楽しかったパーティーをイメージしながら作ったらしい。ご本人がイメージされた通り、凄く楽しい曲になっていて盛り上がれると思う。
21 ULTRA 超 MIRACLE SUPER VERY POWER BALL
ロッキンジャパン2019で終盤にこの曲をやったことでテンションが上がった記憶がある。終盤にも盛り上がる曲を持ってこれるのは強い。
22 ROSE FIGHTERS
23 DREAMER
この二曲は僕にとってはセットでいて欲しい曲。TEAM SHACHIが始動した時のライブでこの二曲をニコ生で見た時のワクワク感が半端ではなかった。その時から僕にとってはTEAM SHACHIといえばこの二曲が頭に浮かぶようになったので連続で聴きたいなぁと思う。
24 JUMP MAN
エンターテイメントの本質は、楽しいと感じること、ワクワクすることだと思っている。初めてこの曲を聴いた時本当にワクワクしたし、ライブで見た時には文句なしに楽しい曲だった。この曲を締めに聴けたらこんなに最高なことはないと思う。
終わりに
というわけで、セトリを作ってみたわけだがこのセトリを実際のライブでやることはないだろう。でも、こんなふうにして好きなアーティストのセトリを妄想するのも良いのではないだろうか。僕は凄く楽しめた。暗澹たる気持ちも少しは晴れた。こんな時でもたとえ妄想とはいえ、1人の人間をここまで楽しませてくれるんだから、やっぱTEAM SHACHIって神だわ。
続きを読むDREAMER
夢
「第一回選択希望選手 読売 (本名)」これが野球を始めた頃からの僕の夢だった。
もちろん、少年野球の時には自分に野球の才能がー全くない訳ではないが、プロになれる程の才能はーない事に気付いていた。
それでも、野球を一時辞めた中学校時代も、3年間補欠で、最後の夏の大会で監督のお情けでベンチ入りをさせてもらい、結局1打席も立たないまま1回戦で敗退した高校野球時代も、浪人時代も、なんなら野球をしなくなった大学生活でも、もしかしたら自分は何かの間違いでどこかの球団に指名されてプロ野球選手として活躍出来るんじゃないかというー妄想に近いー夢を持ち続けていた。
自分でも流石にバカげた妄想だとは思っていたが、その反面そういう気持ちがあるという事は僕はまだまだ「野球少年」なのだろうと思っていた。
けれども、今年のある時期からそういった妄想をする事が少なくなった。
ーある時期。それは3月21日のことだ。そう、シアトル・マリナーズのイチローがこの日を最後に現役の引退を発表したのだ。
ICHIRO
今年、イチローが日本でおそらく最後の試合をするとなったからどうしても観たくて2試合分のチケットを買い、観戦をした。
そして、2試合目。イチローは現役を退く事を発表した。試合終了後、仲間と勝利を喜び、そしてダグアウトへと去るイチロー。もう引退するのは分かっている。延長にも入ったので時刻はもう23:00を回っていた。東京ドームの照明はすでに一段階落とされて薄暗くなっていた。それでも、多くのファンは最後にもう一度イチローを一目見たいと思った。僕もその1人だ。そんな思いがファン同士言葉は交わさずとも一致したのだろう。イチローコールが自然発生的に起こった。
数多くの野球を観てきたが、そんな事はもちろん初めてだった。そして、そのコールはマリナーズにとっても予想外だったのだろう。後で会見を見るとイチローも驚いたらしい。20分以上そのコールは続き、彼は再びダグアウトから姿を現した。
そして、イチローは場内をゆっくりと一周し始めた。選手も、スタッフも、ファンも、イチローしか見ていない時間だ。
1人の選手が引退する。それはすごく悲しいことであり、実際に僕は泣いていたと思う。それでも僕はすごく幸せな空間にいたなとも思った。
何故か。以前、イチローは野球選手としての引退を「死」と表現をし、笑って「死」を迎えたいと言っていた。つまり、その表現を借りるならばあの時間は野球選手イチローの葬式だったのだ。ただ、笑顔で終われる葬式が珍しいように、引退もまた大勢の人に囲まれて笑顔で終われる事は珍しい。
ところがイチローは笑顔で終われた。思えばイチローはストイックという言葉すら当てはまらないくらい、こと野球に関して自分を追い込んできた。そういう人間が笑顔で終われたことで、何かに打ち込む人間はどういう形であれ最後は幸せな結末を迎えられるーそんな事を僕自身が学べたのだろう。しかもイチローから。だからこそ僕は幸せに思えたのだ。
野球青年
思えば、僕が野球を始めた時からずっとイチローはMLBで輝いている選手だった。その時は意識していなかったが、僕はずっとイチローが好きだったのだ。そんなイチローが第一線で活躍をしていたからこそ、僕もまだ「野球少年」でいられたのだろう。
しかし、イチローは引退した。そこで「野球少年」としての僕もまた一つの「死」を迎えたのだろう。ただ、憧れの選手と一緒に(例えジャンルは違えど)「死」を迎えられたのはこの上なく幸せな事なのかもしれない。
そして、それをこういった形で(人の目にはあまり触れないけれども)文章に残せる事も。
『深夜特急』というエッセイがある。その中で沢木耕太郎は後書きでこの話を書く事で自分の青春に別れを告げられるという事を書いていた。イチローの引退で野球少年としての僕は「死」を迎え、そしてこうしてブログに書く事で「供養」を終えたのだ。
幸い僕にはまた別の夢も出来ている。これは妄想ではなく是が非でも叶えたい夢だ。だからこそ野球少年の自分にも未練なく別れを告げられた。
2020年はすぐそこまでやってきている。僕はこれからは「野球青年」を名乗っていこうと思う。
最後に、改めて、ありがとうイチロー。
プロ野球を振り返ろう2019〜セリーグ編〜
というわけで、続きをやっていこう。
パリーグ編
プロ野球を振り返ろう2019〜パリーグ編〜 - charles262510’s blog
セリーグの2019年順位予想
プロ野球順位予想2019〜セ・リーグ編〜 - charles262510’s blog
1位:巨人 95点
今シーズン、原辰徳を監督に復帰させ、長らく遠ざかっていたセリーグ制覇を至上命令となっていた巨人。日本シリーズでは惨敗を喫したが、喫緊の課題であったセリーグ優勝をしたことにつき、文句なしのシーズンだったとにノルマクリアと言っていいのではないだろうか。
MVP
投:山口俊
打:坂本勇人
今シーズンの予想で僕は横浜の懸念事項としてラミレス采配を挙げた。しかしながら、宮崎の離脱の際には筒香をサードに持ってくるなど采配がハマることが多かった。少なくとも今シーズンはラミレスが監督でなければ横浜のこの順位はなかったであろう。
MVP
投:山崎康晃
打:ネフタリ・ソト
3位:阪神タイガース 84点
シーズン終盤の大逆転でのCS進出、及びファイナル進出、そして何より横浜との直接対決が16勝8敗という点を考慮した結果、横浜よりも評価が高い点数となった。これは救援陣の頑張りに尽きるだろう。というわけでMVPは阪神のブルペンを支えた2人を選出。個人的には一旦帰国したにも関わらずまた戻ってきたジョンソンに感動した。MLBでも頑張って欲しい。
MVP
投:藤川球児
投:ピアーズ・ジョンソン
4位 広島東洋カープ 58点
厳しい評価になったが、これはまず4連覇を逃したこと、そしてさらにはCSにも出場できなかったことが大きい。また、バティスタのドーピングに関する対応、さらには野間の体罰問題と考えられないような話があった。正直この二つは今シーズンのプロ野球界の暗い話題ワンツーフィニッシュだと思う。あとは緒方の采配が偏っていた。やっぱりトップは何年かすると変わらないといけないんだなぁと。
MVP
投:該当者なし
打:鈴木誠也
5位 中日ドラゴンズ 68点
何かと話題を振りまいた球団。最後までCSを争いシーズンを盛り上げた。一重に高橋周平の覚醒が大きな要因だろう。一方でなぜAクラスに入れなかったというとおさえが不在だったことだろう。シーズン前に予想した中継ぎ陣の不安がもろに出た格好だろう。どうなることやら。個人的には柳裕也のプロ入り初二桁勝利が嬉しかった。
MVP
投:ジョエリー・ロドリゲス
打:ダヤン・ビシエド
6位 東京ヤクルトスワローズ 38点
うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。なーんでこうなったかなぁ。どう考えても投手陣が壊滅的すぎる。チーム最優秀防御率が小川の4.57、最多セーブがマクガフの11。そら、最下位になるわね。打線はいいから、高津新監督の投手陣整備の手腕に期待。
MVP
投:該当者なし
打:村上宗隆
総括
2019シーズンはソフトバンクの日本一という結果で幕を閉じた。そろそろセリーグ勢にも意地を見せて欲しいところである。
来シーズンに関してはオリンピックの影響で日程が変則的になる。2008年北京オリンピックの際には巨人が13.5ゲーム差をひっくり返す「メークレジェンド」が起こった。また、東京開催の影響でヤクルトの本拠地が一定期間東京ドームになる。ナイターとはいえ真夏のクソ暑い中でするのと快適なドームの環境で野球をするのとでどのような差異が生まれるのか、こちらも見ものである。
2019シーズンもプロ野球に、「ありがとう」
プロ野球を振り返ろう2019〜パリーグ編〜
今年のプロ野球は福岡ソフトバンクホークスが日本一という形で幕を閉じた。という訳で、日本一になったSoftBankに敬意を表してタイトルにもある通りパリーグから今シーズンを振り返っていこうと思う。
ちなみに今シーズンの順位予想はこちら。
2019プロ野球順位予想〜パ・リーグ編〜 - charles262510’s blog
それでは早速見ていこう。ちなみに今回の振り返りは友人(SoftBankファン)のMと行った。彼はパリーグをよく見るし、僕はセリーグをよく見るので、バランス的にも丁度いいだろう。
見方
順位:球団名 点数(基本的にシーズンの結果。ただ開幕前の僕たちの期待に応えたか応えなかったかで加点・減点あり)
評価
投打のMVP(独断と偏見。例外的に投手2人、打者2人の時もあるし、該当者無しもある。でもあくまで例外。)
1位:埼玉西武ライオンズ 点数90点
まず、パリーグ2連覇。これは素晴らしいの一言に尽きるだろう。何故ならば昨シーズンオフ、西武はエースの菊池雄星(現シアトル・マリナーズ)、主力級捕手の炭谷銀次郎(元巨人)、主軸の浅村栄斗(現楽天)が抜けたにも関わらず2連覇をしたのである。やはり、西武の個人力は凄まじい。
にも関わらずクライマックスシリーズ(以下CS)では2年連続でSoftBankに敗退。打線は水物なのだな、ということそして改めて短期決戦では一つのミスが命取りになるとも思わされた。
そして、これをどう評価すべきかは非常に迷ったのだが、辻監督のやりたい野球が見えてこない。例えば優勝するようなチームならば「あの試合は監督のあの采配で勝てた」という試合が何試合かあるものなのだが、彼の場合はそれが思い浮かばないのだ(これはパリーグをメインに観るMも同意したので本当にそうなのだろう)。よく言えばそれが西武の個の力の原動力になっているのかもしれないが悪く言えば(それこそCSのように)何か歯車が狂った時の対処法がないともいえる。辻も来年三年目だ。いくらなんでもここまで哲学が見えない監督も珍しい。
MVP
投:増田達至
打:森友哉
2位:福岡ソフトバンクホークス 85点
三年連続日本一。それでも西武よりも点数が低いのは、我々の統一見解としてペナントレースの方が日本シリーズよりも価値がある、と考えているからだ。その程度の差だと考えて頂きたい。
SoftBankに関しては、ここ数年確実にチーム力が落ちているといえるだろう。一重に主力の高齢化が原因と考えられる。それでも日本一三連覇は流石の一言に尽きるだろう。
一方で、若手投手陣が戦力としての目処が立ちつつあることは高齢化してきた野手陣に比して明るい話題か。
MVP
投:千賀滉大
打:グラシアル
3位:東北楽天ゴールデンイーグルス 83点
一つ断っておきたいのだが、今つけている点数はあくまでもシーズン中の戦いについてである。従って、監督解任騒動、ドラフト戦略、嶋の自由契約等は一切採点の対象としていない(このオフの楽天についてはまた別のブログで書くことに…なるかなぁまあ、期待はしないで下さい)。
今シーズンの楽天は則本昂大、岸孝之の二枚看板が長期離脱をした。だが終わってみれば3位。立派である。FAで獲得した浅村も期待通りの活躍をしたし、抑えの松井裕樹も安定感がある(来年先発やるらしいですね。どうなるんだろう。)。若手野手も台頭しつつあるし新外国人のブラッシュも上手くハマった。
MVP
投:松井裕樹
打:浅村栄斗
4位:千葉ロッテマリーンズ 73点
9月以降のパリーグの面白さは、ロッテの奮闘にあると思う。パリーグを面白くしたで賞。真面目な話をすれば、ホームランテラスの設置とレアードの獲得。これによって打線に一発の迫力が出た。あとは荻野貴司。彼が新人の頃に衝撃を受けた身としてはようやくフルシーズン一軍にいてくれてよかった。
MVP
投:益田直也
打:荻野貴司
5位:北海道日本ハムファイターズ 40点
…栗山監督、俺は悲しいよ。僕は開幕前にこのチームを一位に予想した。そして7月まではその通りの戦いをし、実際に首位を狙える位置につけた。ところが、そこからさながら富士急ハイランドのFUJIYAMA の如くスピードであれよあれよという間に順位が落ちていき、最終的に5位にまで落ちたのである。
シーズンオフに栗山は辞意を示したが、これはもう栗山の問題というよりは層の薄さに起因するものでしょう。
MVP
投:有原航平
打:大田泰示
6位:オリックスバファローズ 50点
正直このチームにはあまり期待していなかったので、9月頃までCSの可能性があったことに驚きがあった。まぁ成功しているしていないは置いといて球団の意図も見えるし日ハムよりも頑張ったんじゃない?的な話をしながらMVP選定作業に入ったところここで議論は紛糾した。
甲乙つけがたく、それでいて圧倒的ない成績を残した候補選手が3人いたのである。だが、3人同時受賞という例外を最下位のチームにする訳にもいかない。原則は投打のMVPを選ぶという方針だったのでまず吉田正尚は確定。投の枠として山岡、山本のどちらを選ぶかという作業に入った。
結果、先発の仕事は一年を通してしっかりと試合を作り、なおかつ勝ち星を挙げることだという基準に沿い、山岡に決定した。
こんなに強力な投打の主力がいてマジでなんで最下位なんだよこのチーム…
MVP
投:山岡泰輔
打:吉田正尚
次回→セリーグ編
プロ野球を振り返ろう2019〜セリーグ編〜 - charles262510’s blog
龍が如く
天敵
僕のTwitterやInstagramをフォローしてくださっている方達は知っていると思うが、僕はSMAPが好きである。好きな理由は多々あるがその中でも楽曲の良さというのが大きな割合を占めている。「働かないふたり」という漫画で主人公が自分にとっての大事な本を形容する時にどんな時でもその本を読むだけで心をニュートラルに戻せたと言っていたが(「働かないふたり」も名作オブ名作なので興味があれば是非読んでほしい。)それと同じで彼等、の曲を聴いていると、辛い時も浮かれている時も心をフラットに出来るのだ。
そんな僕には天敵がいる。それは「SMAPになんか歌わせないで楽曲提供者が歌って欲しかった」という人々だ。
この意見、確かに一理あるようにも思える。実際YouTubeに上げられているSMAPが歌っている動画にはその種のコメントが多い。
彼等の意見の根底には「作詞や作曲をしたアーティストが取り上げられないで歌っている(お世辞にもうまいとは言えない)アイドルばかりが取り上げられるのは納得がいかない」というものがあるように思える。
その意見に対してどう反論すればよいかを考えていた時期がある。そしてある四字熟語を思い出した。「臥竜点睛」この四字熟語である。意味は「〔梁の画家張僧繇が,竜を描いて,その睛(ひとみ)を書き加えたところ,竜が天に昇ったという故事から〕 物事全体を生かす中心。また,物事を完璧なものにするための最後の仕上げ。 」
(引用元:https://www.weblio.jp/content/%E7%94%BB%E9%BE%8D%E7%82%B9%E7%9D%9B)
である。仕上げは大事だし相性も大事なのだ。。例えばいくら北斗の拳のタッチで龍を描いたところで目のタッチがベルバラだったらその龍は台無しと言っていいだろう。
これを曲に当てはめるのならば、龍の身体を描くのが作詞、作曲であり、歌うのが龍の目なのだ。
SMAPは(本人たちが言うように)歌が決してうまくはないかもしれないが彼らの描く目が、その龍の身体にぴったりとマッチしたからこそ「世界にひとつだけの花」や「夜空ノムコウ」といった曲がとんでもない龍となり爆発的なヒットをしたといえると僕は思っている。
前置きが長くなったがそういった観点から見ると、TEAM SHACHIのニューシングル「Rocket Queen feat. MCU/Rock Away」の中でも「Rocket Queen feat. MCU」(以下rocket queen )は特に素晴らしい龍になっていると思う。(TEAM SHACHIのオフィシャルサイト見て気付いたんですけど「わたしフィーバー」はA面扱いじゃないんですね。なんでだろう。)
rocket queenはまず龍の身体を描いた人、すなわち楽曲提供者が豪華だ。作詞がポルノグラフィティの新藤晴一、曲はak.hommaこと、本間昭光が書き下ろし、そしてRAPにはKICK THE CAN CREWのMCUが参加している(MCUに関しては目じゃね?とも思う方もいるかもしれないが便宜上身体にしておく)のだ。身体に関して文句の言い様がないだろう。
そして、変な言い方ではあるが肝心の目である。これは結論から言えば素晴らしいの一言に尽きるだろう。
基本的に僕は複数の人間が歌う歌を聴くときは「このパートはこの人じゃなくてあの人が良かった」と思ってしまう人間なのだが、rocket queenに関してはそれがなかった。
例えば咲良菜緒のパート。「あの手で奏でたギターが教えた 誰かが押し付けた価値など蹴破れと」という部分は彼女にしか表現できないある種の反骨心が聴く僕の心を震わせた。
例えば秋本帆華と大黒柚姫のパート。これは以前もツイートをしたが「席を立つ彼 視線だけで見送る 私を置いていかないで もう少し強くなる そうしたらsee you again」のソロとデュエットのリレー(この表現合ってるのかな)はハモリも相まって非常に美しさを感じさせる。
例えば坂本遥奈のパート。「その歌で彼がShoutする 愛とか絶望を私はいまだ知らない」の部分をここまで切なげに表現できるものなのかと驚きすら覚えた。
今挙げたのはほんの一例だが、彼女達の歌はとんでもない「目」になっている。この曲はとんでもない龍になっているのだ。美しい龍は何回見ても飽きないように、この曲も何回聴いてもまるで飽きがこない(実際このブログを書いている今はエンドレスリピートをしている。飽きない。すごい。)
そしてなんと驚くべきことにといおうか、この曲は2パターンある。
[YouTube]
これがシングルとしてCDになっている。ロックマンとタイアップをしているが、僕はロックマンには明るくないので何も言えないが色々調べるとこのPVの映像はロックマンファンにとってもたまらないものらしい。そしてこのPVに出ているゲームもできる。
ROCKMAN20XX - 戦え!TEAM SHACHI -
もう一つは配信限定であるが、マーチングバージョンだ。
こちらも同じ曲なのに本家(便宜上こう表現する)とはこうも違った色を見せるのかと驚く。僕はどちらかと言えばマーチングバージョンの方が好きだがそれは電子音楽があまり僕が好きなジャンルではなく逆にマーチングの様に金管楽器やら木管楽器やらを使うジャンル(スカパラをイメージして欲しい)が好きというもので、要は好みの問題で、もちろん逆に感じる方も違うだろう。
ひとつだけ言えるのは、この楽曲が素晴らしいということだ。
その証拠に再生回数を見てほしい。そう、累計200万回が狙える位置にあるのである。これはTEAM SHACHIの他の楽曲と比べても突出をしている。それだけ多くの人に受け入れられて、そして、リピーターを産んでいるといえるのではないだろうか。
個人的にrocket queenのような曲をアイドルが歌うのはチャレンジだと思っている。それは、(これは僕の偏見かもしれないが)アイドルといえば、キラキラした恋愛ソングを歌うというようなイメージが世間に浸透していると思うからだ。またSMAPの話に戻るが、SMAPがここまで怪物グループになった一つの要因はキラキラな曲ばかりでなく、聴く者を「カッコいいな、こんなアイドルもいるんだ」と思わせかつ、これは中溝康隆というライターの受け売りにもなるのだが、「この曲ならアイドルとはいえ何ら恥ずかしくなくカラオケで歌える」と思わせた所にもあると思う。
翻ってTEAM SHACHIである。rocket queenを引っ提げて殴り込みをかけてきた。rocket queenは歌詞こそ恋愛ソングだが、曲がとにかく「カッコいい」し、「これなら俺でもカラオケで歌いたい」。女性アイドルグループでここまで思わせたのはTEAM SHACHIが初めてである。何年か経ってTEAM SHACHIの事を振り返るようになった時、この曲は真っ先に語られるべき曲となるだろう。
とんでもねえ龍な曲を作ったなぁ本当に。
最後の一年と最初の一年
LIQUIDROOMにて
2019年10月30日、僕は恵比寿にいた。TEAM SHACHIの1st anniversary Liveを観るためだ。すでにチケットは追加販売を含めてソールドアウトしており、決して広いとはいえないライブ会場は、その分だけファンの密度が高く、それゆえ誰もがTEAM SHACHIの一周年を飾る記念すべき公演を待ち望んでいるのが伝わってきた。
そんな様子を見ながらこの二年間のことを思い返していた。
完成されていたチームしゃちほこ時代
そもそも僕がTEAM SHACHIを応援するきっかけとなったのは2017年の11月3日のことであった。当時僕が在学していた大学にチームしゃちほこがライブに来るというので「まぁ女性アイドルグループのライブなんて一度も見たことないし、ももクロの妹分ならそこまでひどいことにもならんだろうし、人生経験として見てみるかぁ。学割効いて安いし。」程度の軽い気持ちで行ったことがきっかけだった。
その上僕は「エンターテイメントは何も知らないやつを楽しませてこそ、真のエンターテイメント」という自分の主義のもと、ろくすっぽ曲も聴かずに(ベストアルバムを聴いたくらい)ライブ会場へと足を運んだ。
結果、どハマりした。正直学祭のライブということで舐めていた部分もあった。この値段なら(学生は1500円だったと思う)やって5曲程度だろうなという読みだったのだ。ところが、彼女たちは10曲も歌い(つまり僕の予想の倍である)、そして最後には大学の校歌までも歌ったのだ。恐らく彼女たちには数多あるライブのうちの一つだっただろう。しかし、僕にとっては曲を10曲もやった上、自分の大学の校歌をわざわざ覚えて歌ってくれた、その心意気に感激したのだ。
そこから、チームしゃちほこのファンは始まった。
チームしゃちほこ時代の僕の印象は「(ある一点を除いて)完成されたアイドル」というものであった。グループ結成から7年を迎えており、一人一人がやるべきこと、すべきことを分かっているから僕もファンになったのだと思う。
そんな中でチームしゃちほこは突然終わりを迎えた。そう、メンバーの一人、伊藤千由李が卒業を発表したのだ。グループから一人メンバーがいなくなるというのは相当しんどいものだったと思う。そして、ファンである僕もこれはメンバー大変だろうなぁという思いがあった。というのも、SMAPメンバーであった、森且行が脱退したときの心境を中居正広が「森くんがいない方が全然いいじゃん」と思わせようと最初の一年は苦労したと言っていたのを思い出したからだ。
SMAPですら苦労したことをできるのだろうか?僕の中でそれは大きな疑問だった。2018年10月22日のファイナルライブがチームしゃちほこの集大成(序盤で大きなトラブルがあったもののそれを見事にリカバリーした点もひっくるめて)として完璧であったから余計にそう思ってしまった。
そしてTEAM SHACHへ。
2018年10月23日、チームしゃちほこはTEAM SHACHIへと改名をした。この発表を聞いた時僕は果たしてこれはいい判断なのかどうか分からなかった。というのも、伊藤千由李が抜けた穴を安易な改名で済ませるという発想なのではないかと思ったからだ。
ここでも僕の予想は(もちろん良い意味で)大きく外れることとなる(しかし読みが当たった試しがないな)。TEAM SHACHIに新しくホーン隊(ブラス民)がついたのだ。これは素晴らしいことだと思った。先述したチームしゃちほこ時代、僕はある一点を除いて完璧だと言った。その一点が楽器の生演奏なのだ。
少し話がずれるが、僕はライブはできる限り生音、生歌でやって欲しいという考えの持ち主だ。もちろんCDのように完成されている音も魅力的だ。だが、一度きりのライブではもう二度と同じ体験ができないというものを味わいたい。(その点でSMAPのライブは好きだったのだ。後、僕らの音楽という番組も可能な限り生演奏にこだわっていて好きだったのにそれも終わってしまったんだよなぁ。ぶつぶつ)
話を戻すと、だからこそTEAM SHACHIのファーストライブをニコ生で見た時、オープニングで楽器隊が演奏を始めた時にとてもワクワクしたのを思い出す。そしてそのワクワクは良い意味でチームしゃちほこに別れを告げることを可能にした。そして僕は、TEAM SHACHIはチームしゃちほこの時のような「完成されたアイドル」ではないけれど、もしかしたら「とんでもない怪物グループにーそれこそSMAPのようにー」なるのではないかと思った。
そこから1年が経った。今回ばかりはどうやら僕の読みは間違っていないようだ。僕はTEAM SHACHIになってからは昭島、お台場のフリーライブ、スタプラローカリズム、ロッキンジャパン、そして今回1st anniversary Liveと決して多くはないかもしれないがそれでもコンスタントに可能な限りライブに足を運んだ。TEAM SHACHIのパフォーマンスによって「ざっと見渡す限り」会場は笑顔でできている。そこには年齢も、性別も、いわゆる新規も古参も関係なく本当にTEAM SHACHIのパフォーマンスを心から楽しんでいるのだ。これこそがエンターテイメントの本質なんだと僕は思う。
少なくとも、TEAM SHACHIはもはやアイドルの枠も、アーティストの枠も超えたエンターテイナーへと進化しつつあると思う。もちろんそれはチームしゃちほこ時代から培っていたものがあってのTEAM SHACHIなのだ。そう考えると、ファンになって最初の二年がチームしゃちほこ最後の一年とTEAM SHACHI最初の一年をというのもなんか貴重なことだなぁと思う。TEAM SHACHIの「完成形はまだ未定」だろう。というか想像がつかない。でも彼女たち4人はTEAM SHACHIを心から全うできたと思って欲しいなと思う。
そしてこれは個人的な話になるのだが、彼女たちと同世代の者(2〜3歳差は同世代で良いはずだ)として、彼女たちに負けないように精一杯僕も自分がやるべき事をやって行こうとも思った。
自室にて
本当はこれはライブ当日に書く予定だったが、TEAM SHACHIのライブが素晴らしくなかなか興奮状態から抜けないため、今日になった。
改めまして、TEAM SHACHI及びスタッフの皆様、一周年おめでとうございます。これからもぼくは全速前進で(予算の許す限り)応援をさせてもらいます。
最高の笑顔
現在この文章を打っている時刻は深夜1時34分。蒸し暑い夜だ。久々にエアコンをつけて寝ようかなと思い、寝る前にちょっとtwitterを開いてあるニュースを見た瞬間、僕はいても経ってもいられなくなり推敲もせずに一心不乱にキーボードを叩いている。
ーあるニュース。それは阿部慎之助の引退という情報だ。その発信源が読売ジャイアンツの機関紙的役割を果たしているスポーツ報知の一面ということが確認できる以上、これはおそらく事実なのだろう。
とはいえ、引退の情報は本人が認めるまではあくまでも確定しない情報であり、なかなかデリケートな話題ではあるのだが、ここでは引退するものとして話を進めさせてほしい。(もちろん僕としてはこの情報が否定されることを願ってやまないし、あいつ情報に踊らされてこんなことを書いてるよと笑い飛ばされる記事になっていてほしい)なぜなら、その情報を見た瞬間に湧き出た様々な気持ちを一旦整理しておきたいのだ。
今回のこの記事はなんの情報も資料も見ずに書いている。あくまでも僕の記憶ベースだ。なぜなら何かの記事や情報、阿部慎之助に関する論評は明日以降大量に出回るだろう。だが、それらを読んでしまうと僕の中にある阿部慎之助の思い出が上書きされてしまう気がするのだ。だからこれはあくまでも僕の、2019年9月24日午前1時34分時点での僕の単なる語りだ。その点をこのブログを読んでくださっている方は注意していただきたい。しかし、多分大きな事実誤認はないと思う。それくらいには阿部慎之助のことを見てきたつもりだ。
僕にとって阿部慎之助という選手はとにかく勝負強く、明るい男という印象だった。まだ彼が若かった2000年代前半は「サヨナラ慎ちゃん」との異名がつくほどサヨナラの場面に強く、そしてヒーローインタビューでは笑顔で「最高で〜す!!」と叫んでいたほどだ。
潮目が変わった(と僕が思っている)のは2007年だ。2006年にキャプテンを務めていた小久保裕紀がFAでソフトバンクに移籍。そのシーズンオフの納会で原辰徳監督は後継キャプテンに阿部慎之助を指名した。この頃から、阿部慎之助は単なる明るい兄ちゃんではなくなっていった。
まあそれはそうだろう。僕はまだ社会に出た経験がないが、28歳という選手として油が乗りかかる時期に責任ある役職をチームから命じられたのだ。それで明るい兄ちゃんのままだったらそれは単なるサイコパスというやつだろう。そして阿部慎之助はその期待に応え、チームを引っ張った。2007年から2009年のセリーグ三連覇に主将として、キャッチャーとして大きく貢献したのだ。
ところで、この時期の原はインタビューなどで「慎之助を7番に置く打線が理想。慎之助が4番だとチーム状態は良くない」という話をしていた。実際、例えば2009年はいクリーンアップを全盛期の小笠原、ラミレス、若手として頭角を表した亀井が担っており阿部は7番という打順に置くことで下位打線も気を抜けない打線を作っていった。
しかしながら諸行無常といおうかなんといおうか時代は移り変わる。ラミレスは2011年に成績不振で退団、小笠原も統一球の影響もあって全盛期の成績を残せず、亀井も伸び悩んだ。ついでに言えば2010〜2011は2年連続3位となり、明らかにチーム力は衰退した。そこで原は決断した。阿部慎之助を4番に据え、固定をすることを。4番、すなわち打線の核、打線の顔である。打線を引っ張っていかなければならない。そこだけ聞くと名誉なことに思えるかもしれないが、よく考えてほしい。阿部はすでに主将としてチームを引っ張り、捕手として投手陣を引っ張っているのだ。この上さらに打線を引っ張れということのキツさは想像に難くないだろう。さらに、巨人の4番は歴代横綱と同じように○代目と表記され、他球団の4番とは異なる少し特殊な事情もある。原はこの当時のインタビューで「本当は慎之助には4番を打たせたくない。彼にそこまでの負担をかけたくなかった。しかし、チーム事情上仕方がない」といっている。ONの後継者と目されながらもONを超える結果を出せず(まあ当たり前である)世間から叩かれた男であるがゆえの発言だろう。
しかし彼は見事に応えた。打撃3部門のうち首位打者、打点王を獲得(しかもこの年も悪名高い統一球である)。捕手としては内海哲也との最優秀バッテリーを獲得。スコット鉄太郎と呼ばれた強力中継ぎ陣も引っ張った。そしてチームはというと、交流戦、ペナントレース、クライマックスシリーズ、日本シリーズ、アジアチャンピオンズカップの五冠を達成させたのだ。これで阿部は史上最強捕手との称号を得た。
しかし、ここからの阿部は怪我との戦いが増えていく。2013年のWBCは当時の代表監督、山本浩司から巨人での役割を期待され、早々に4番、捕手、主将に任命されるも、コンディション不良から思うような活躍ができず、また、シーズンでも2013年の優勝には貢献したものの、シーズン終盤には帯状疱疹となり戦線離脱。2014年オフには捕手引退ファースト転向を発表した(2015年に緊急的にキャッチャーに復帰したが、一ヶ月ほどでファーストに再転向)。また、同年主将の座も坂本勇人に譲り、三足のわらじは終わりを告げた。
文字ににしてわずか7行ほど。しかし、この7行の間にどれほどの苦悩や葛藤があっただろう。特に捕手だ。おそらく本人も捕手をやりたいはずだ。しかし、次に怪我をすれば選手生命どころか生命が危険にさらされるとも言われている阿部の爆弾が、それを許さない。そして30代後半から本格的に始めた慣れないファーストではなかなか思うようなプレーもできず、「なぜロペスを放出したのだ」などとも言われる日々。おそらくこうしたファンの声は阿部自身の耳にも届いていたのではないか。正直腐ろうと思えばいくらでも腐れたと思う。僕なら腐ってる。
しかし彼は違った。主将時代とは違った形でチームをサポートし始めたのだ。例えば2016年の自主トレ。彼は小林誠司を同行させ、捕手のイロハを叩き込んだ。そして現キャプテンの坂本勇人のサポートもした。今シーズンは原からの指令もあり、試合中にも積極的に若手にアドバイスをしていた姿も目立った。その姿は、まるで阿部が築き上げた常勝巨人のDNAを若い選手に引き継いでいるかのようだった。
もちろん選手としても時に代打で、時にファーストで怪我とも戦いながらバットを振り続けた。その結果昨年には2000本安打を、今年は400号ホームランを達成し、歴代最強キャッチャーの中の一人に名を連ねた。
以上が僕が見てきた阿部慎之助の概略だ。
昨日の試合でも阿部はホームランを放ち、出場機会が少なくても打率は3割前後を保っている。正直まだまだできると思う。しかしそんなことはどうでもいい。本人が現役に満足したのなら彼は引き際を選べる立場なのだ。僕らファンがどうこう言えることではない。阿部慎之助選手、本当にお疲れ様でした。
というのは建前である。僕はこの選手に関してはそんな簡単に割り切れない。小学校2年の時からずっと巨人で、キャッチャーで、ホームランをかっ飛ばす背番号10の姿に、ポジションは違えど本当に憧れたのだ。そんな選手の引退を誰が素直に受け入れろというのだ。本音はもっと阿部のホームランが観たいし、Septemberに合わせて「ホームラン阿部慎之助」も歌いたい。
にしても年齢を重ねるにつれどんどん素直に引退する選手に「お疲れ様でした」と素直に言えなくなってきた。昨年の『文春野球』でえのきどいちろうさんという方のコラムから言葉を借りるなら、「時間よ、頼むから俺から憧れの選手を奪わないでくれ」という心境だ。
今、僕は一人の選手の引退の発表を心からガセであってほしいと願っている。
輝く光を浴びて
もはやなんと形容をすれば良いのだろう。凄いという言葉はあまりにも陳腐すぎる。
昨日、読売巨人軍が5年ぶり37度目の優勝を果たした。坂本勇人主将以下、チームが良くまとまっていたと思う。何よりも恐るべきは監督、原辰徳だ。
昨シーズン、高橋由伸前監督の辞任により球団史上初の3度目となる指揮を取ることになった原だが、僕はよく就任を決断したなと思った。というのも原にはあえて火中の栗を拾いに行く必要はまるでないからだ。原は今回の就任までに2007年〜2009年、2012年〜2014年の2度のリーグ3連覇を筆頭として、7回のリーグ優勝、3回の日本一、アジア一、WBC代表監督としても世界一に輝いている。
2015年に原は辞任をしているが、チームとしてもう原の下ではこれ以上伸びないだろうな、というのが僕から見ても分かり、辞任というよりは勇退という表現の方がしっくりくるものだった。
そう、原にはこれ以上監督を続ける必要がないのである。上記の実績を持ち、稀代の名監督として後はセカンドライフを満喫しても誰も文句は言わないだろう。
しかしながら彼は二つのミッションを課せられて三たび現場に戻ってきた。
一つは四年連続V逸のチームの再建、そして優勝である。
彼は今回全権委任監督として選手人事も、コーチ人事も、全てやってきたと言われている。
まずはコーチ陣。今回のコーチ陣は宮本和知や元木大介といった顔ぶれで組閣し、ヘッドコーチは置かなかった。この人事はタレント内閣とも揶揄されたが少なくとも元木の起用は大成功だと思っている。
元木は試合前の円陣でチームのモチベーションをあげ、試合中はサードコーチャーとしてチームを引っ張った。このサードコーチャーというのは難しいもので、際どいタイミングでランナーをホームに行かせるというのがとても勇気のいることなのだ。しかし、彼はー少なくとも僕が見る限りー際どいタイミングで確実に回した。ちょっと無理かなと思うタイミングでも回した。これは壊れた信号機とも揶揄されたが、実際セーフになっていることが多い。すなわち、元木の判断でチームの得点になったという事が少なからずあったのだ。
この起用をしたのも原である。もちろん物足りない所もあるのだろうが、原の言うところの「未来のジャイアンツ」を作るためという観点からすれば新米コーチ達も素晴らしいと言えるだろう。
次に選手。補強は言わずもがなだが今オフ一番の激震は内海、長野の放出だろう。ファンは怒り狂った。(僕もその時ブログを書いたので読みたきゃ読んでね)
僕もその時の方針に疑問を呈した一人だ。しかし、よくよく考えると原という男はそういう男である。仁志、清水、二岡とフランチャイズ選手をチーム作りの為にならないと見れば容赦無く飛ばす、そういう男だった。
今回の両者もいて欲しいし思い入れもあるが今回の原のチーム作り(常勝ジャイアンツを作る)には若手の方がウェートが高いとそういう判断をした上でプロテクトを外したのだろう。
実際今シーズンの巨人は4番の岡本は言わずもがな、勝利の方程式に加わった中川、優勝を決める一打を放った増田、パンチ力を見せた重信、某掲示板で「月刊セカンド」とも揶揄された若林、山本など若手の起用、活躍が非常に目立った。
これらの選手は主に前任の高橋由伸時代に獲得されていた選手だ。この事実から一部ファン・プロ野球OBの間では「由伸が岡本などを育てたのだから優勝は由伸の功績で原は座りしままに天下餅を食っただけだ」的な論評も散見されるのだが、僕はそれにはクェスチョンマークをつけざるを得ない。
というのも、昨シーズンまでの3年間を見る限り今年の原のような起用・戦術を由伸がするとは到底思えないのだ。もちろん由伸が岡本を我慢強く育てたという点は事実だろう。しかしそれが優勝に直結するわけではないという事を僕は言いたい。やはり、この優勝は原でなければなし得なかっただろう。
ところで、僕は常々嫌いな人間の種類としてダブルスタンダードの人間を挙げる。何故ならすぐに二転三転させるような奴は信用できないからだ。翻って原辰徳の今年のシーズン前の宣言を見てみると、
・2番丸
・捕手固定
・4番サード岡本
というものがあった。しかし実際はどうか
・2番丸→主に3番丸
・捕手固定→小林、大城、炭谷の併用
・4番サード岡本→レフトやらファーストやらサードを行ったり来たり
これである。これはダブスタではないのか。つまりお前は原が嫌いじゃないとお前自身がダブスタになるぞ。と思う方もいるかもしれない。
しかしながら僕は原という監督は好きだ。そして上の3つはダブスタにすらならないと思っている。何故か。そもそも核の部分が原は変わらないのだ。よく原は「正々堂々と勝負」というようなフレーズを使う。つまり、原は正々堂々と持てる力を全て出す。それで負けたら仕方がない。という監督である。ここが変わらないのだ。つまり、真っ当な勝負をするためにはシーズン前の公約に拘泥する必要はないしそんなものは勝つためには必要のないものだと思っているのだろう。
勝つために全力を尽くすーこの原の核がブレない限りは僕は原ファンであり続けるだろう。
さて、原はひとまずセ・リーグ制覇という球団の至上命題を達成できた。しかし原にはまだもう1つミッションが残されている。それは「後進の育成」だ。先に由伸だったら今シーズンのような戦い方は出来なかったであろうという趣旨の事を書いたがそれは由伸が100%悪いというものでもない。前回の退任時、原は後進の育成をせずに長期政権を終えた。
その点は由伸も大変苦労した事だろうと思うし、四年連続V逸の責任は彼だけにないと思っている。
そういう訳で今回の原のもう一つのミッションは後進の育成だ。今回のコーチ陣が新米コーチと言われようがそうした面々で固めたのもそういう理由であろう。もしもこの先新米監督が壁に当たってもその時に原イズムを継承したコーチ陣たちがそれをサポートする。そうした意図があったのではなかろうか。
もし仮にこれでもう一つのミッションを達成して後の監督も名将クラスにまでなったら…原の読売グループ内での立ち位置、長嶋茂雄以上になるんじゃない?
ともあれ、セ・リーグ優勝おめでとうございました。